MA MAISON

仏語“私家”。

私の家に招かれたような気持ちで
ゆったりとお過ごしください

ブランド
一覧

マ・メゾンのグループ店

今月のコラム(2025年1月)

 新しい年になりました。この節目を元旦で考える人もいれば、節分で考える人も様々。
どちらにしても、気持ちを新たにする一歩として、今日のこの佳き日を愛でたいと思います。

 さて、2025年みなさまは何を気にかけていらっしゃるでしょうか。ちょっと今年気にかけているのは、江戸のメディア王“蔦屋重三郎”の一生です。人との営みを考えていくと、江戸文化は町並み、ふれあいを見てもとても興味を惹きますが、このメディア王の人生は知れば知るほど奥が深い!
 蔦屋重三郎は、江戸時代の中期に版元として浮世絵の黄金期を築き上げました。日本の漫画の文化は世界に誇れるものですが、実はこの時代の黄表紙は源流になっています。
役者絵とか大首絵が流行っていましたが、高くちゃ売れません。
当時蕎麦が16文(1文約30円~40円)なので、一枚せいぜい20文。5~600円。この浮世絵の作家名を追っていくだけでも、重三郎がいかにすごいかがわかります。
蔦唐丸という名前で狂歌も残している。

江戸中期といえば、老中松平定信の行った「寛政の改革」もちろん重三郎も例に洩れず、財産の半分を没収されているのですが、そこからの意地が見所です。
いいこともやりすぎはどちらにとっても目に余る。
松平の改革も6年で終わりを告げるのですが、その時に詠まれた狂歌がこちら

白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき

清流すぎても魚は住めぬとはなかなか風刺が効いています。

世間に風刺が気になることがあったとしても、いつでも変わらないのは当家の味です。
いつでもみなさまを暖かく迎える準備が整っております。
新しい年も、皆さまに多くの幸が訪れますように。
当家も灯を点してお待ち申し上げております。

当家主

Page TOPへ